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けみすとのきまぐれ - molという単位(1)

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 前書き:ROMっていたけど何か書いてみたくなった。化学が好きだから、気が向くにまかせて化学がらみのことを適当に書いてみる。一応間違ったことは書かないようにと気をつけるけれど、抜けがあるかもしれない。




 molという単位を知るのは高校化学の最初の山、らしい。自分も初めはよくわからなかった。だいたい、「山だ」とか先生が自分で言っておきながら、「鉛筆12本を1ダースと言うのと同じ」とかいう妙な説明するし、理解する前にもう話が先に進んでるのが良くない。ったくなんでややこしい単位なんか使うんだ。そのワケは、化学反応の仕組みにひそんでいる。


 科学では、よく何かを測定する。重さとか長さとか時間とか。化学だと、重さを量るのしょっちゅうだ。この薬品何グラムとその薬品何グラムを混ぜたら、反応して何が何グラムにできました、という具合。

 でも、測れるのは重さだけ。化学反応では原子・分子がぶつかりあって反応が進むのだから、その薬品の重さではなく、その中にいくつの原子・分子が詰まっていて、そのうちいくつがぶつかりあって反応するのかが知りたい。重さと同時に個数が重要なのだ。


 でもやっぱり、測れるのは重さだけ。じゃあ、重さから上手いこと原子・分子の数を求められないものか、と昔のエラい人は考えた。

 まず思いつくのは、「原子・分子1個の重さが分かればいい」。原子・分子1個の重さで測った薬品の重さを割れば、その薬品何gの中に何個の原子・分子が詰まっているか計算できる。そして、いくつの原子・分子が反応するか分かれば、反応で出来る原子・分子1個の重さを掛けて、反応後に何が何gできるか分かる。


 例えば、水はH2Oだ。水素原子2個と酸素原子1個で出来ている。原子の重さはほぼ原子核の重さ(電子は原子核よりずっと軽いから無視してOK)だから、原子核の重さだけ考えよう。

・水素の原子核は陽子1個

・酸素の原子核は陽子8個と中性子8個

で出来ている。ついでに、陽子と中性子の重さは大体一緒だから、H2O分子1個の重さは陽子18個分だ。一方、陽子1個の重さは 1.673×10-24gだ。これは過去の科学者たちが測ってくれた。すると、H2O分子1個の重さは 3.011×10-23gだ。じゃあ、水1gには、1[g]÷(3.011×10-23[g])=3.320×1022個の水分子が詰まっているってわけだ。うまいこと、分子が何個あるか分かった。よしよし。

 同じようにナトリウム1gには何個のナトリウム原子が詰まっているか計算すると、2.599×1022個だ。

 水分子2個とナトリウム原子2個が反応すると、ナトリウムイオンと水酸化物イオンが2個ずつ、それから水素分子が1個できると分かっている。じゃあ、水1gとナトリウム1gを反応させたら、そのうちの何個が反応するかな。さっき個数を計算したけど、数字を見るとナトリウム原子の方が少ないから、ナトリウムが全部反応して水がちょっと余るってことが分かる。

 じゃあ今度は、この反応で水素分子が何g発生するか計算してみる。水素分子1個の重さは3.346×10-24gだ。反応する水分子とナトリウム原子はそれぞれ2.599×1022個だから、水素分子は2.599×1022÷2=1.300×1022個発生する。ということは、1.300×1022[個]×3.346×10-24[g]=0.0435gだ。43.5mg、ほんのちょぴりだね。


 この調子で、何と何が何グラムずつ反応して何が何グラムできたってのをいくらでも計算できる。でも、なんか面倒じゃないか?陽子の重さまで考えないといけないし、ノートにはいちいち×1022とか書かなくちゃならない。1022とかバカでかい数字じゃなくて、もうちょっと計算しやすくて比較もしやすいぐらいの大きさの数字になってくれないものかな。ついでに、陽子の質量をいちいち思い出さないでも済むといいな。そうすれば、陽子と中性子合わせて何個かだけ知ってればOKだから。


 そこで、molの登場と相成った。どうするのかというと、あらかじめ陽子と中性子合わせて12個である炭素原子が12gあるとして、そこにいくつの炭素原子が詰まっているか計算しておくんだ。おっと、ここでいきなりなんで炭素原子なのか?それは……まあ、あれだ、オトナのジジョウってやつだと思ってくれ。別に、陽子1gが陽子何個なのか計算しても本質的には同じなんだけど、そこには有効数字とかE=mc2と絡んだ深い物語があってね。

 脱線してしまった。なんだっけ、炭素12g中の炭素原子の個数を数えておくってところまで書いた。この個数をひとつの基準としようってわけだ。「炭素12g中の」ってところがミソで、12という数字は炭素原子の陽子と中性子を合わせた数に等しい。さて、個数を計算すると6.02×1023個。これを1molと定義しよう。つまり、

 1mol = 6.02×1023(個)

という具合だ。世界基準だぜ。ちなみに、アボガドロ定数という。覚えておくといいよ。昔、アボガドロさんっていう化学者がいたんだ。

 陽子中性子合計12個の炭素原子12gは炭素原子6.02×1023個ということは、同じ調子で、

・陽子1個の水素原子だと1gで6.02×1023個=1mol

・陽子と中性子合計16個の酸素原子は16gあれば6.02×1023個=1mol

という具合だ。陽子と中性子の数の合計は「質量数」だね。質量数にgをくっつけただけでそこに6.02×1023個つまり1molの原子が詰まっていると分かるわけだ。今度は分子で考えてみよう。水分子はH2Oだ。質量数の合計は18。だから、18gで1molだ。水素分子H2だと2gで1mol。おっと、普通は「質量数」ではなくて「原子量」を使う。大概はほぼ同じだけど、かなり違う物もあるから要注意。脱線しまくるのでここに理由は書かないよ :-p

 次は、逆にmolを中心に考えてみよう。1molの炭素原子は12gある。1molの酸素原子は16g、水分子1molは18gだ。

 「1molあたり何gか」を書くためには、g/molという単位を使う。つまり、炭素原子は12g/mol、水分子は18g/mol。この単位を使えば、gとmolのあいだを自由に行き来できる。注意してほしいのは、物質ごとに何g/molかが違う、ということだ。物質ごとにg/molの値が決まっている。質量数の合計だね。


 では、molを使って、水1gとナトリウム1gの反応で水素が何gできるか計算してみよう。水はH2Oで18g/molだ。ナトリウムは23g/mol。水1gは何molかな?

1[g] ÷ 18[g/mol] = 0.0555[mol]

だ。ナトリウム1gは、

1[g] ÷ 23[g/mol] = 0.0435[mol]

だ。水分子2個とナトリウム原子2個が反応するってことは、水分子6.02×1023個とナトリウム原子6.02×1023個でもちょうど全部が反応する。つまり、水1molとナトリウム1molでもちょうど全部反応するってわけだ。比の計算だね。さっきの計算で、molの単位で比べるとナトリウムの方がちょっと少ないとわかる。つまり、ナトリウム0.0435molと水0.0435molが反応して水素分子0.0213molができる。水0.012molは余り。水素分子は2g/molだから、

0.0213[mol] × 2[g/mol] = 0.0435g

というわけで、水素分子が0.0435g発生するとわかった。ほら、こっちの方がぱぱっと計算できるでしょ。

posted by cs4ach | reply (1) | trackback (0)

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Re: けみすとのきまぐれ - molという単位(1)

つまりモルパワー

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昔,教育テレビの学校向け放送な時間帯に実験したらしい。

金属ナトリウム23g(1mol)を水を張った金ダライに投げ込む

→数mの水柱と破裂飛散する金ダライ。

その惨状を前に「さすがモルパワーですね」とコメント。

posted by q7ny3v | reply (0)

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